複利運用と資金管理

複利運用

複利運用のルール

複利運用は、資金を大きくする効果もありますが、その逆の効果もあります。
特に資金を投じるロット数は、勝率・損益率を考慮して決める必要があります。
ロット数の調整なしに複利の取引をすると、間違いなく資金は減ります。

トレードは勝ちと敗けを繰り返しながらトータルで資金を増やすものです。
なかには、当然、連敗する事もあります。
複利運用だからと言って、勝ちトレード1回ごとにロット数を増やしたら
どうなるでしょうか?・・連敗で大きく減らす事になります。
また、連敗がなくとも大きめの価格変動1回で大きく減ってしまいます。
複利の効果が資金を減らす方向に進んだ事になります。

では、複利運用はどう組めば、いいのでしょうか?
上の図を見てください。これは複利の方式を簡単に示したものです。
トレード1回1回ではなく、1定の期間の成績に対してロット数を調整しています。
例えば、勝率が60%で推移しているなら10回取引をして、次の10回は増えていたら
増加分の1%をロットを追加する。減っていたら減少分の1%をロット数から差し引く。
もちろん、予期しない下落等で資金が大きめに減った場合は、10回のトレード終了を
待たずロット数を減らします。

注意したい点は、資金が減った時や減る傾向にある時は、速やかにロット数を減らす
という点です。資金が減る状態をドローダウンといいますが、
この状態ではロット数を減らさないと、複利効果がマイナス方向に進みます。
この点はぜひ実施するようにして下さい。

複利運用を支える環境

複利運用は、勝率、損益率に支えられています。特に損益率は、勝率に直接の影響を
与える為、重要な項目です。損益率に影響がある項目は以下の通りです。

FX証券会社の手数料

証券会社

FXをする以上、手数料(スプレッド)は必ず発生します。
そして、このスプレッドはポジションを持った時に、いきなり損失として現れます。
スプレッド手数料が高いという事は、それだけ損益率が低くなると思ってください。

最近は手数料が低いFX証券会社が増えましたが、いまだに
ユーロ円・豪ドル等でスプレッドが1pipsを越えるところもあります。
10pips~30pipsを取りに行くトレードで1pips以上の手数料、
つまり最初からマイナス1pips超のアドバンテージを取られるのは大きいです。

手数料(スプレッド)は、低くて信用が高い会社に口座を作るようにして下さい。
出来れば1000通貨取引が出来るところだといいですね。
複利運用がやりやすくなります。

通貨の選択とロスカット幅

スプレッド手数料

FXで取引可能な通貨には、ボラティリティ(価格の変動幅)が高い上級者向け通貨、
ボラティリティが低い中級・初級者向け通貨があります。
例えば、昔「殺しの通貨」との異名のポンド円は、価格の変動幅が大変に大きく、
またスプレッド手数料も1.1~2.5pipsと高い通貨です。
ボラティリティ(価格の変動幅)が高くなれば、ロスカットの幅も広がり、
取引できるロット数は小さくなります。

高い価格変動幅を狙うのは構いませんが、敗けトレードになるとダメージが
大きくなりますので要注意です。

余計な取引

リスクは何も、損益幅ばかりではありません。
最大のリスクは自分が判断出来ないところにポジションを持つ事です。
過去のチャートを見て、優位性がある場所だけを取引するのはOKですが、
待ち時間にや価格の変動に負けて、自分の中で何の検証もされていない箇所
でポジションを持ってしまう・・これが最大のリスクです。


PS)
勝率や損益率は大事ですが、何よりまずロスカットを設定する事を徹底してください。
ロスカットをする事で、十分な試行回数が取れます。
多少、負けが込んでも、ダメージ幅が少なければ資金の大部分は残ります、
その後のリカバリーは楽になります。
ロスカット設定をしなかった為に、資金の大半を失う人は大勢います。
そして、資金の大半を失ってしまうと、リカバリーは至難になります。
失った資金は増資で穴埋めするしかリカバリーは出来なくなります。

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【資金管理・目次】
》》1.あなたは何の為にFXをするのでしょうか?
》》2.相場は先が読めないもの
》》3.損切り(ロスカット)の重要性
》》4.プロスペトク理論とは
》》5.プロも行う資金管理
》》6.損失リスクとロット数
》》7.バルサラの破産確立表から見るリワード
》》8.複利運用と資金管理


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